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洋書感想「The Hunger Games」ハンガーゲーム

あらすじ

 北アメリカが崩壊し建国された独立国家パネラでは、毎年従属層の12自治区から男女1人ずつが選出され、最後の1人になるまで殺し合う「Hunger Game」が開催される。Katnissは妹を庇い、今年の出場選手となった。愛すべき家族、友人と再会する条件は勝利のみ

 

感想(今回はけっこうネタバレあります)

 この本を知ったきっかけは、図書館で見かけた掲示板でBook Nerdがお薦めする本!に入っており、なんとなく名前だけ記憶していた。またスティーブンキングのドクタースリープの話の中でハンガーゲームを読むシーンがあり、内容はまったく知らないものの、高い知名度から少しずつ気になっていた本だった。極めつけは5月ぐらいにハンガーゲームの続編!が本屋で山積みになっており、これは読むしかないと!The Hunger Gamesと新作The Ballad Of Songbirds And Snakesを購入。The Hunger Gamesを読み終えた後、三部作だと気がつき引っ越し前に急いでCatching fireとMockingJay購入。

 

 シリーズを深めるごとに魅力が増してくる本で、まず1で世界観を構築し、2でその世界観を壊しながら広げ、最後まで読者をハラハラさせてラストまで突き進んでいったシリーズだった。

 

内容も知らずに手に取ったけど、前回記事の侍女の物語と同じ、アメリカが破壊された後に建国された国が舞台だった。一部の上流階級が富と発言権を持ち、残り多数の民は十分な食料もなく、自治区ごとに職業が決められ未来の選択肢はほぼない。そんな条件下で、年に一度自治区の子供達を1/24の確率で生き残るハンガーゲームに生け贄として差し出さねばならぬ。少し気になったのは、このハンガーゲームが過去の反逆を忘れさせないためと大儀名分があったとしても、革命を引き起こす引き金になったのではないかと。子供達の殺し合いを娯楽として消費することなく、自治区間ごとで情報を制限しより強固なヒエラルキー社会ならば、人々も自分の生活に疑いなく不満をいいながら過ごしていたのではないのかなと、設定が少し無理やりだった気もした。ただ、最初のつかみはハンガーゲームで生き残れるか?だったので、このゲームがなければ話は進まなかったのだろうけど…。最近出た新作は過去の話なので、このゲームの始まりとかも重点的に書いててほしい。最近ハラリ先生の21 lessonsを読んだこともあり、社会制度や政治(資本主義と共産主義)に興味を持ちだしたので、ディストピア社会の名作と名高い「1984」もいつか読みたいなぁ。

 

 3部作なのでキャラクターはかなりいるけれども、インパクトのあるキャラが多いのでわりかし覚えていることはできた。主要メンバーは10代の未成年なので、大人に利用されたり自分の意見が通らない場面も多い。だからこそなぜそんな間違った判断するのかと、もどかしい気持ちになることもあった。でもその未熟な部分がティーンエージャーの心の揺れを上手く表現できていたのかと、全てのシリーズ読み終えたら少し納得した。戦士としては重要な戦力だけれども、心は少し未熟なため過ちを犯すところがあるみたいな。

  あと主人公と三角関係である男の子2人より、サブキャラの方がすごくかっこよかった。どのキャラが好き~?私はHaymitchとCinna!とか、だれかとお菓子食べながら語り合いたい…。ちなみに自分的に信じたくない部分があって、Googleで「なぜ 〇〇 〇〇になった」、「〇〇 その後」とか読書後、血眼で探しましたね…。いや、きっと読者に少し希望を持たせるラストにしたのは作者のやさしさなのかな…。(絶対二次創作いっぱいあると思う)

 

 映画も上映されていたのに、私はタイトルすら知らなかったことに驚き。ちなみに私が住み始めた田舎の図書館、本屋では和訳されていた本が見つからなかったので、アメリカほどあまり話題にならなかったのかな?まだまだ私が知らない本がたくさん存在するのだろうな。

 

 たまに中だるみもありまた私も忙しかったので思ったより読む時間がかかったけど、最後まで読み切れてよかった!ファンタジー小説好きな人にはおすすめです。